7/4〜7/6までにご投稿分の評と感想です。 井嶋りゅう
7/4〜7/6までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。
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「樹の枝に引っ掛かった深淵」積 緋露雪さん
積 緋露雪さんこんばんは。
すごく良いですね。前回のお作品よりも思考がシンプルで、でも深みや歪さや闇、個性はまんべんなく発揮されています。深淵が巨木の枝に引っかかっているという何とも不思議な光景、発想ですが、何となくわかる感じがして魅力的な発想で引き込まれます。深淵をまるで我れの深淵ででもあるかのごとく見つめ、深淵の怠慢までたどり着く過程は圧巻で、とても読み応えがありますし、深淵に向かって、汝自身になれ!という呼びかけも良いですね。深淵なんですが、なんとなく私たちの心当たりを刺激され突かれているような感覚にもなりました。非常に良いですよ。面白いです。佳作といたします。
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「僕は1円玉」喜太郎さん
喜太郎さんこんばんは。
この詩、10から13行目を読むと、違和感を感じるんですね。小さい金額の硬貨は、それよりも大きい金額の硬貨に対して、枚数で対抗?しているようですね?敵わない、という言葉の意味は、イコールにならない、という意味に私はとりました。その前提でもって、これから書きます。喜太郎さんの意図と違うようでしたらこの先はスルーしてください。
2行目、4行目、6行目、8行目、10行目の全てには「に」が入るのではないかと思いました。つまり、5円玉くんには、10円玉くんには、100円玉くんになんて、500円玉くんには、そう500円玉くんには、という具合ですね。硬貨の中で500円玉が王様だと言いたいのだと思いますので、このままの書き方だと、大きい数字の硬貨の方が小さい数字の硬貨に敵わない、という意味にも、実はとれるのではないかとの懸念のためです。そして、最後にママさんが出てきます。硬貨が「くん」で紙幣が「さん」で、お金自体がみな兄弟あるいは家族的な意味合いで、それを管理しているからのママさん出現なのかもしれませんが、普通に人間と書いてもよいような気がしました。発想はとても良かったと思います。面白かったです。
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「鳥のように羽ばたく」エイジさん
エイジさんこんばんは。
エイジさんにはもしかしたら、あの鳥のように飛べたならあんなこともこんなことも出来るのに、と、常日頃考える時間帯があるのかな、と思いました。わくわくしながら、というよりは、うつうつしながら、というニュアンスのものを詩から感じました。生きてる間は翼がないので飛べないけれど、飛ぶという望みじたいは死と共に叶えられるかもしれない、というわずかな願望も入っているのかしら?とも思いました。真っ青な大空をバックにうつしだされる走馬灯は、楽しさでもあり、哀しさでもあるさよならをイメージしました。さて。最後の2行です。「終わったんだ/すべては終わった」このラストが微妙なんですね。ちょっと絶望感が多いのが気になりまして。その前の行「君の瞳がとらえる僕の最後の姿」を生かして、君へ何かメッセージを投げかけて終わってもいいかな、と思いましたね。(「あなた」と「君」は同一人物で合ってますか?)唯一出てくる他者のあなたへ何か贈ってあげたら、少し絶望感が和らぐラストだった気がいたしました。あくまで個人的見解です。今回は佳作一歩前ですね。
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「向日葵」鯖詰缶太郎さん
鯖詰缶太郎さんこんばんは。
冒頭、犬も電柱にぶつかるんですねぇ。それだけ暑い夏を示唆しているのかもしれません。3連目と4連目はとても深いですよね。結局、暴力には暴力でしかあらがえない悔しさがよく描かれていました。5連目「死んでしまったけど」ここが少しひっかかりまして。向日葵が死んでしまったのか、大切な人が死んでしまったのか、さらっと書かれてあるのでどちらの意味かな、と思いました。でもいずれにせよ、後半は、ようちゃんが幸せな家族を築いて向日葵に囲まれた写真をながめることが出来た、その幸福が描かれていました。辛い出来事からの立ち直りが、鯖詰缶太郎さんのこの書き方で伝わってきました。良い詩ですね。実はもう少し推敲していただきたい箇所はあるのですが、この詩は内容が良いので今回はおまけの佳作といたします。
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「夏の陽の力は未知数」紫陽花さん
紫陽花さんこんばんは。
なんて素敵な詩でしょうか。ミント、朝顔、薔薇、野良猫、メダカ、お隣の息子さん、ときて、出会って三日後の婚姻届!しかもそれはご自身のこと。みんなハッピー。再生の力、夏の陽の力。本当に何があるかわからない日常の、幸福を切り取った短い詩。すぱーんと佳作です。幸せをありがとうございます!
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以上、5作品のご投稿でした。
どうもありがとうございました。
暑いので水分補給を忘れずにお過ごしください。
また次回もどうぞ宜しくお願いいたします。