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スレッドNo.2473

永遠の国  エイジ

永遠の国への入国を
少年はひたすら待っている
夜露に濡れたガラス窓から
待ち遠しそうに顔を覗かせて
きららかな雲が湧くのを
ぼんやり見つめながら
時期の早いトンボ一匹を
どこまでも追いかけながら

少年はある日いつも行く
湖のほとりで晩い時間に
ひとり遊んでいた
ふと気になって
少年は湖の深くを見つめていた

吸い寄せられるように
少年は湖に浸かった
その水面はしじまだった
その時 湖の底に
一陣の光が射しているのを見つけた
何かの予感がして
少年は光めがけて泳ぎ始めた

光の隣に小さな扉があって
その中から光が射している
永遠の国に行けるかもしれない
そう思って少年は小さな扉を
開けて入って行った

水面はまたしじまだった
時期の早いトンボが
水面の上を舞っていた
湖近くの木の上で
孤りのカラスがアァと鳴いていた

少年は帰ってこなかった
永遠の国の扉を開けて
旅立ってしまったのかもしれない
夜露に濡れたガラス窓から
待ち遠しそうに顔を覗かせたり
きららかな雲が湧くのを
ぼんやり見つめたりしていた
あの少年はもうここにはいない

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