あの海へ 紫陽花
あんまり毎日暑いので
今は 水槽に私を泳がせている
朝が来ると
私は 酸素を求めて
水底から水面へ上る
私は息継ぎをする
そうして また ゆっくりと
水底へと沈んでいく
白い石と青いビー玉の
水底では時間が止まったよう
そのうち夕日が私を
呼びはじめる
私は 酸素を求めて
また水面へ上がる
夕暮れ時の空を見上げる
そして思い出している
防波堤に座ってあなたと
夕日を描いていた日々
水平線に夕日が沈むまで
オレンジ色を重ねた
こうやって水の中にいると
思い出すのは
あなたのことばかり
またふらっと帰ってきて
あの海辺に誘ってよ