蝉 大杉 司
向こうの木にいるのは
ミンミンゼミか
はたまたアブラゼミか
はっきりしないが鳴いている
勢いよく鳴いたかと思えば
急に弱々しく鳴き
次第に何処かへ飛んでしまう
居心地が悪いのだろうか
飛んだ先の木は
蝉の巣と言って良いほど
沢山が鳴いていた
仲間の所へ戻ったのだ
その仲間へ寄り添って
また勢いよく鳴きだした
相手も近づき鳴きだした
なんだか楽しそうだ
こうして見ると
一匹では寂しいのだろう
仲間と同じ木にいる方が
よほど安心するのだろう
向こうの木にいるのは
ミンミンゼミか
はたまたアブラゼミか
あの鳴き声はきっと
ミンミンゼミに違いない