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スレッドNo.2506

旅  エイジ

僕は旅に出る
小さな旅に出る
駅のホームの自販機でコーラを買った
そそくさと列車に乗り込む
鈍行列車でゆったりと進み出す
コーラを飲みながら過ぎ去る街を見る

小一時間も走ると辺りは田園風景
里山の風景の上に山並みが見える
近くの案山子や自転車に乗った人が
電車の車窓に現れては消える
電信柱が車窓を追いかける

カラスが車窓を追いかける
列車と平行に飛んでいる
カラスの羽に風の形を見る
列車の音がスネアドラムのように
足元から身体全体へ響き渡る

そうこうしているうちに
列車はある田舎の駅に停車した
見知らぬ駅だったが
僕は降りてみることにした
改札を抜けると近くには
寂れているが商店があった

その商店には屋台があって
たこ焼きを売っているようだ
しばらくすると主人が出てきた
「たこ焼きが欲しいのですが」
「六つで百円になります」

僕はたこ焼きを受け取り
辺りに食べるのにいい所はないか
探しながらしばらく歩いた
すると大きな鳥居が見えた
神社でゆっくりたこ焼きを頂こう

鳥居を抜けて境内に入った
境内のベンチでたこ焼きを食べることにした
都会の喧騒を抜けて
静かな片田舎の神社で
たこ焼きを食べている

ここでは時間がゆったりと流れている
まるで街とは違う時間の流れを感じた
たこ焼きを食べている30分が
永遠の時に感じられるようだった

神社の境内の時の流れは
都会の街よりも永遠に近い気がした
この時の流れはとても深みがある
そんな時を嚙みしめながら
緑に生い茂った木々を
いつまでも見つめていた

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