七夕の悲しみ 久遠恭子
織姫と彦星は毎年会えない
こういうことは往々にしてある
雨が降るから仕方ないよとみんな言うけど
分かっているけど…
そこまで言って涙が流れた
『いつか会えるよ』
彦星は言う
『いつかっていつ?』
織姫は問う
こんなことなら
出逢わなければ良かったと織姫は泣く
彦星は困ったように
遠くから彼女の様子を見ている
天の川が何百年も流れ続けたなら
会えるのかしら
星は流星となって
いつか消えるだけでしょう?
悔しくて地団駄を踏むけれど
宇宙はしんとしていて何も答えない
『あなたもわたしも別の星の住人だもの』
織姫は咽び泣く
その嗚咽を聞いても
彦星はやっぱり何も言えないのだ
宇宙の摂理はこんなにも切ない!
誰も抗えないのだ!
それでも何処かに
奇跡と呼べるものが存在するなら
小さな石ころみたいな希望でもいい
あるなら…
織姫と彦星を会わせてあげて下さい
神様どうかお願いします
※お久しぶりです。久遠キョウコというペンネームから久遠恭子に変えました。また、投稿させていただきます。よろしくお願いいたします!