朝が来た 朝霧綾め
朝が来た
それを新しいと思うか
変わらないと思うかは人それぞれ
でも朝が来たということ
それだけは確か
地平線の下を通っていた太陽が
ようやく東の空に顔を出した
地面の草に日が射し
家々の屋根が輝いた
じょうろであげた水が
観葉植物の葉の上できらりと光る
湯気を立てるマグカップのコーヒー
眠い目をこすりながら飲む
世界には不幸な人が
たくさんいることを知っている
悲しみのうちに今朝を過ごす人がいることも
でも朝は来る
厳粛で静かに朝は来る
朝が来た
新しくなど ないかもしれない
けれど私は手を振って迎える
今日というこの一日を