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スレッドNo.2512

かき氷屋蛙 紫陽花

ここは蛙横丁1丁目1番地
気温が35度を越した日が
10日程続くと限定オープンする
かき氷屋蛙

メニューはひとつかき氷だけ
蛙色のシロップは選べます
赤色蛙 黄色蛙 緑蛙 青蛙
その日の蛙店長の気まぐれで
虹色蛙もありますよ

今日もやって来ましたお客様
緑蛙色した蛙特製かき氷をご注文
夏休みなのでやっぱり
蛙学園1年1組の学生蛙が
エメラルドグリーンの氷を運んできた
ただただそれだけのことなのに
何故か目を離せない
ああ なんて綺麗なんだろう
氷の粒ひとつひとつが
透き通って窓からの光に反射する

次の瞬間 彼女の顔が歪む
それは彼女が蛙の舌で
頭を叩かれたからでもなく
突然降り出した雨に
打たれたからでもなく

彼女の手にあったはずの
スプーンが消えたからだ
彼女の指が減っている
というか吸盤がついて
これは蛙?
考える暇もなく
目の前のかき氷色に
彼女の体が染まっていく
ああ 蛙だ
彼女は蛙の顔でにっこり微笑み
長い舌でペロリペロリと
かき氷を舐め始めた

そこで はっとして
私も自分の手を確かめる
ああ私もいつの間にか
蛙になっている

でもこのままこのまま
本能のまま
生きていくのもいいかもしれない
ちなみに私は虹色蛙になった
ああ なんだか自由だ

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