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スレッドNo.2572

砕けた月の欠片を瓶に詰めて ゆーた

砕けた月の欠片を瓶に詰めて

わたしは朝を知らない
きっと/夜/眠れないから
わたしは夜を知っている
だけど夕日も少し/知っている
夜が終わると/わたしの身体は少しずつ/消えてゆき
顔や/手や脚や/内臓や心が
ぽろぽろと/剥げ/宙に舞い/薄れゆく
いずれは落ち葉が土になるように
わたしもどこかで/生まれ変わるのだろうか

月は砕けて/ときどきこの星に/落ちてくる
それをみて/わたしは少し哀しくなる
わたしの田舎では/星が空に/無数に散らばり
だけどこの都会では/一等星しか/見えない
きみの顔を見て眠る日は/きっとこないだろう

来ることは/ないだろう
わたしは夜しか/知らないから
夜は/永い永い/孤独だったから
それでも星を見ていると/いつもきみを思い出す
例えばきみと見た/唯一の朝がどれだけ/美しかったことを
目を閉じても/月の灯りのおかげで/思い出せる
だけどわたしと/きみのように/きっと交わることはないだろう
まるで朝と/夜のように
わたしは/朝を望んでいない
だから/朝を知るつもりはない
星の輝きが/美しいから
朝になると/わたしは消えてしまうから

ふっと光が/わたしの頬を掠める
それがなにかは/わかりはしないが
こないだろう
何度も/何度も
きみの寝息を/聴くことも
砕けた月の欠片を/瓶に詰めて/眺めていたとしても
ずっと/ずっと
こないだろう
きみの顔を見て/眠る日も

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