青空に飛行機雲 U.
気だるさに掴まった
頭の中は
ピエロのパイプで
モコモコ煙がいっぱい
青空に
白く、自由に伸びた飛行機雲
空の端から端まで
一筋に流れる私の想い
きらりと光る金属片が
白い絵の具を青いカンバスに
買ったばかりの筆でなでていく
ピエロの奴め
頭の中から飛び出して
白い雲めがけて飛んでいった
飛行機雲の先にあるのは
中央線の高架から見た夕日の孤独
破れた初恋の悲哀
この広い空の下
私を通り過ぎて行った人達が
何処かに居ることを思って
呟く
私はここに居ます
飛行機雲の後ろに残るのは
孤独と悲哀を突き破ろうとする
張り裂けんばかりの混乱と焦燥
自由に伸びた飛行機雲は
軟らかく広がって
白い雲
青いカンバスの中
今は
あの鋭さを失い
千切れてほどけて
風に取り込また
ほらほら
ピエロの奴めまた泣き出した
空から私の頭の中へ落ちてくる