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スレッドNo.2696

バス停にて   小林大鬼

仕事を終えて
私は一人バスを待つ

夕暮れのバス停で
一匹の蜘蛛が巣を作り始める

腹部から糸を張りながら
縦糸で放射線状に
横糸で大小の円を
紡ぐように踊るように
器用に足を動かして
網を繋いで足場を築く

夕陽に照らされる蜘蛛の巣
小さな同心円の中心にいる蜘蛛の影

一仕事を終えた蜘蛛
暑い夏の予感
バスはまだ来ない

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