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スレッドNo.2788

大いなる秘密  おこぜ

原因、それはこの世界にとっては比喩である。
酷く余計な比喩であり、しかし、とても明晰な誤算であって、的確な暗示である。

それは屹度、一度の過ち、うっかりの思い過ごし。
それは時間として過ごされていく。
こぼされた一杯、否、たった一滴の雫であった。
これらは全てそれが成す染みの幻影であり、その誤ちに対する贖罪なのである。

繋がれた罪は嗤った

曳かれてゆくものは血を滴らせる程度のことしか心得がなかった。
しかし、血とはそういうものである。生きていくものにとって。

繋がれる罪は、勇猛な英雄に向かって手を握りしめたこともあった。それは、しかしあまりにも呆気なかった。
彼女は思わず吹き出してしまった。 

彼女は現象の全てである。
少なくとも、彼女とそのものにとってそうである。

ある一瞬から声が聞こえた
怒り、怒り、やれ、憎い。一つ躍って復、憎い。

ある一瞬から声が聞こえる
嗚呼、嗚呼、悦び。快き、快き。

そして呻きを上げるであろう。数々の一瞬が!
鬱、鬱、人性の深さ。探究の虚しさ。
辛苦、耐えうることのあまりの脆弱さ。
嘆き、嘆き、一息の深さ。ため息の孤独の深刻さ。

編集・削除(編集済: 2023年09月23日 09:06)

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