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スレッドNo.2789

同心円

昨日確かであったことが
今日は わからなくなる
いや ほんの少し前のことも
もう わからない
ぬかるんだ道を やむなく歩いているような
しかも どこへ向かっているのかさえも
わからない

今朝、小雨のなかを 歩いていた
歩道の水たまりに 雨が落ちている
同心円が いくつも いくつも できては消え
できては消えて いる

どれも どれも 正確な円を描いている
不思議だ とても不思議だ
乱れなく 律儀に 執拗に
円は ひたすらあらわれては消えていく

しばらく それを見ていた私は 
その規則正しさに 苛立ちを覚え
憎しみをさえ 抱きはじめていた

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