大袈裟なぬくもり
いきなり俺をあたたかい光で包むのは
どういうことだろう
俺は今まで冷たい道を歩いてきた
愛なく友なくさりとて孤独もなく
ましてや詩人はいるはずもなく
なのにどうしたわけかこのぬくもり
大袈裟な半ばサプライズな
嬉しいが喜びたいが
思うように感情が受け入れられずにいる
俺はささいな喜びでいいんだ
大きなものは…あるにはこしたことないが
きっと大きな喜びというのは
小さな喜びを集めたものだから
だからそれらをなるべく多く集めて
生きていたいんだ
色々と心配をかけてきたようだ
愚かなこともたくさんした
今だって愚かで馬鹿で阿呆だ
ああ大袈裟なんだよこのぬくもりは
俺を誰だと思ってるんだ 俺だぞ俺!
鳥が飛ぶように生きていたい
鳥が鳴くように歌いたい
大切なものを失った人は心にぽっかり穴があく
そんな人達にとって大袈裟なぬくもりは救いかもしれない
失った時ほとんどの場合は取り戻せない
そうして苦しみながら顔では笑って生きていくしかない
大袈裟なぬくもりよ
今こそ我の上に降りたまえ
神よ、どうして私をお見捨てになったのですか
生きていくしかないのか、俺は……