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スレッドNo.2840

詩情  エイジ

僕たちを溶かす太陽が
大空でぼんやり漂い始めた十月
僕は待っている
金木製の香りと
ペパーミントの芳香を
ブレンドしたような匂いのする
あの愛おしいものが来るのを

僕は待っている
ランプの灯りのように
仄かな輝きを放つ
あの慈しむべきものを
まるで魔法のようで
手を振るとと消えてしまいそうな
ささやかな明かりのように
ぼんやりとしていて
ほの明るくて

とある詩人は書き残した
それはこの世のものでもあるけれど
彼岸の世界からやって来るものでもあると
煙突の煙のように
どうしても掴めなくて
秋の日の地面近くを吹く
風のようにみえないもので
部屋でじっと待っていなければ
出会う事はないと

僕は待っている
彼岸と此岸の間の
交信者になろうと
媒介になろうと
この何もない自室で
一夜まんじりともせずに

僕は待っている
あの愛しいものを
それは彼方(あっち)か 現世(こっち)か
魔法のような働きをする
ほんの少しの憂愁を湛えた
言葉の間から滲み出るものを

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