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スレッドNo.2842

別離  久遠恭子

便箋に戻りたいと書いてみる
文字は滲んでよく読めなくなる
ぽたぽたと水滴が紙の上に落ちる

堕ちていくのは
私のこころ
瞼を手で覆って
見えないふりをする

さようならが近づいて
もう終わりという刹那

人は何を思う

あの人に会えなくなる
最期に手紙を書こうとしたけど無理みたい

連絡もないんだから
何もしようがない

30代半ばでまた独り身になる

BARに通ってみたけれど
私はもう若くなく
誰も相手をしてくれない

アパートに帰って出来合いのおにぎりを食べて
枕に顔を埋めていることしか出来ない

世界はどんよりとしていて
私はとても小さいのだ

窓を開けると
街の喧騒が聞こえる
いつかまた蝶のように飛べるだろうか
そんなことを考えている

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