純粋惑星の放浪 おこぜ
心なく
ふらつく酉の
ひと心地
いざ来る夜も
知らないで
満ちた影へと
駆けてゆく
無邪気な緋い
夕空の
暗い彼方の
隠し子は
月夜の無知に
擁かれて
鋭い知恵を
ひた隠す
明るい夜の
宵の口
帰る記憶の
寄るべなく
ただ呟ける
去り際の
逢いの約束
夕ほどに
またも有らんと
こんな小夜なら
哀の手が別れにそっと挽歌を添える。
惜しみのない別れは出会いを完成させる。
さぁ、もう一度。
繰り返す別れが出会いを用意する。
さぁ、もう一度。さぁ、もう一度。
しかし、繰り返す出会いは別れを愛撫しない。
憂鬱の冷たさこそが、別れを静かに弔う。