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スレッドNo.2863

9/26〜9/28までにご投稿分の評と感想です。  井嶋りゅう

9/26から9/28までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。


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「抱きしめてください」滝本政博さん

滝本政博さんこんばんは。
うわー、滝本さんだ!とびっくり&喜びの声をあげてしまいました。相変わらず、良い詩をお書きになりますね~。優しさ、切なさ、刹那、汗、意地、警告、そういったものが、ぐわっと私の中に入ってきました。この詩は滝本さん自身の回想シーンなのかもしれませんし、大切なかたへ向けてのメッセージなのかもしれませんが、私のイメージでは、制服を着た女生徒が寂しくなった商店街を疾走するシーンに感じられて、そこには色んな想いを抱えては捨てまたやっぱり抱えて、みたいな複雑な想いごと走っていながら壮観な気持ちでもあるような、そんなふうに感じました。2連目の「めーめー泣いたからって」ここは最高の表現だと思います。めーめー泣くとは、やっぱり滝本さんの表現だなあと感動しました!とても嬉しくなりました。またタイトルも良かったですね。何とも味わい深い素敵な詩を、どうもありがとうございました!


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「乗り換え駅」喜太郎さん

喜太郎さん、こんばんは。
急行と各駅停車。同じ終点まで行くのに、時間を短縮して行きたい君と、各停でのんびり行きたい僕との考え方のズレがとてもよく描かれていました。あくまで電車のことなんですが、同じレールを行く二人の人生に対する考え方の違いでもありますね。そう考えたとき、実際私は、各停だと1時間以上かかってしまう道のりを毎日往復していますが、急行と各停を両方用いながら行ったり来たりしています。理由は遠いからなんですが、ここで問題なのは理由ではなくて、目的地へ辿り着くまでの考え方なんですよね。どんな考え方でもって生きているのか、なんだとこの詩を読んで思いました。ラストでは駅を出て歩いていく。この歩くという行為には特別な気持ちが宿るものだと思います。気づかなかったものに気づく人生を生きていきたいと、この詩を読んで思いました。とっても良い詩でした。佳作といたします。


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「闇の中で」紫陽花さん

紫陽花さん、こんばんは。
私は怖い話が大好きなんですが、実は妖怪には少しうとかったんです。たまたま最近、妖怪についての詩を読んでおしゃべりする機会があったのですが、最近妖怪づいているな、とこの詩を読んで自分の周辺を振り返りました。ちなみに私が会いたい妖怪は座敷童子です。いつか遠野に行こうと姉と話しています。
さてこの詩。船乗りだったおじいちゃんのお話。舟唄を思い出しましたが舟唄は怖い唄ではなかった。この詩、怖くて面白いですね。狒狒(ヒヒ)という妖怪はそうなんですか。男性が好物だから女性に化けて誘惑して食べようとするのですか!ひ〜。怖いですね〜。しかも霧の中というのも、幻想的ではありますが、やっぱり不穏感が強い。「霧が晴れたとき」という小松左京の小説なんかも思い出しますし、映画のミストあたりも思い出します。この詩、内容が面白くてとても楽しめました。最後に自分の心理で終わるところも良いですね。暗闇の中では自分をいかに信じられるか、信じられなかった場合には狒狒に食われてしまうかもしれない恐怖。狒狒の紹介にとどまらなかったところ、良かったですね。妖怪を勉強してみようかなと思いました。佳作といたします。


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「静かな想い」エイジさん

エイジさん、こんばんは。
しみじみと切なく、とても良い詩でした。隣の空き地にグラウンドが出来る予定、という情報が、グラウンドが出来る→子供たちが遊ぶ→一戸一戸のドアの向こうの風景を想像する、など良い関連性になっておりますし、透析施術と他人の生活、というものが、なぜかとてもリンクする。私は幸いにもあまり病院にお世話になったことがなく、入院経験などもないのですが、もしそのような状況になった時に、私ももしかしたら他人の生活風景を想像するかもしれない、と思ったら、この詩は等身大のエイジさんの心の詩なのだと感じました。エイジさん、この詩は気張らずに感じたことをさらりと書いたのではないですか?このような詩がエイジさんはとても上手です。「その時抱いた気持ちで、見えた風景を書く」ということは、気持ちを言葉で書かなくてもきちんと気持ちが伝わるものです。設定を特別なものにしても良いですがしなくても良いのです。このような詩がエイジさんの強みだと思います。佳作といたします。

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「大袈裟なぬくもり」司 龍之介さん

司 龍之介さんこんばんは。
4連目まですらすらと、少しユニークさも入っていて、とても面白く読ませていただきました。2連目の喜びに関する考え方や、3連目の俺だぞ俺!などの部分も、妙にリアルに伝わってきました。
さてこの詩。引っかかっるのは5連目でした。詳しくは5連目の5行目からラストまでの4行ですね。1連目ですでに大袈裟なぬくもりを受けているのではなかったのでしょうか?そこから始まっている詩ではなかったのですか?何となくこの部分に司 龍之介さんにしかわからない事情や空白、時間経過があるように思いました。その部分が書かれていないので、読み手に伝わらないのだと思いました。この部分の推敲をもう一度お願いいたします。先にも書きましたが、4連目まではとても良かったです。


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「位置を知るとは」積 緋露雪さん

積 緋露雪さんこんばんは。
石原吉郎、お好きなんですね。「位置」は有名な詩ですね。私は「葬式列車」が大好きです。
さて。その「位置」という詩を受けての、では自分だったらどうするかという考察が描かれています。相変わらず丁寧に描かれていて、一見読みずらそうにも思われがちな詩なんですが、読み進めるとすらすらと読めてしまうのも積 緋露雪さんの詩の特徴かもしれませんね。2連目、強盗に銃口を向けられた場合のことが書かれていますが、「ある!」と言える覚悟をお持ちなのは素晴らしいと思いました。私にはないように思えて仕方がありません。想像ではあるかも知れないと思うんですが、いざその時になると頭が真っ白、みたいになりそうなんです。ただここが比喩ではない戦場だとしたら逆に覚悟できるのかもしれないと思ったりしますが。。。この詩を読んで、日常での意識がやはり覚悟を決めさせるのだと思いました。それによって定められたもうひとつの「位置」という詩が、積 緋露雪さんの中で出来上がったのだと思います。石原吉郎氏に読んでもらいたかったですね。佳作といたします。

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以上、6作品のご投稿でした。
みなさん、大変お上手で読み応えのある作品ばかりでした。ありがとうございました。

この度は遅くなりましてすみませんでした。

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