train cofumi
汽車に揺られて
黄色い菜の花を目で追う
夢と憧れを握りしめた
あの頃のボクが大きく手を振る
田舎の風景は 重ねてた殻を
脱ぎ捨てていいよと言ってくれる
自分らしさを着飾って
誰かを真似て生きてた自分に気付く
キミが好きだったロックを聴きながら
思い出すのは二人で夕陽を見た丘
古い神社そして無人の駅
あの丘にキミと宝物を埋めた
10年後の二人へのプレゼント
ボクはキミへのプロポーズを
ハートのカードに書いた
大きな夕陽に誓った言葉
どれも沈んでしまったけど
キミへの想いは 今でも
星の端っこにぶら下がっている
古い神社 参拝する人は居ない
境内の桜の木 七夕の短冊を毎年飾った
初詣のおみくじは「小吉」
キスをしたら「大吉」になると抱き寄せた
キミは照れていたけど
見ていたのは神様だけだった
無人の駅 二人は黙ったまま
お互いの気持ちは透けて見えて
遮断機の音が「カエッテキテネ」
キミの言葉をかき消す
汽車がホームに入り
ボクの心は糸の切れた風船
キミのそばから飛んで行こうとしたけど
ドアが開いた途端キミへの愛しさで
夢が負けそうになった
発車した汽車を追うキミの姿
今でも思考の隙間に入り込んだまま
train 隣の座席の思い出を横目に
帰りの切符を握りしめた