栞 ベル
栞で挟まないと
もう見つけられないような一瞬の思い出だから
あなたの中には残らないでしょう
あなたと過ごした一瞬こそが
私の中の永遠です
笑って
あの日ともに生きたことが
ずっと支えになって生きてきた
太陽が昇る朝を
あなたもどこかで迎えているでしょう
忙しい毎日をしあわせ色に染めながら
ともに過ごすパートナーと泣いたり笑ったり
もしかしたらランドセルの背中を見えなくなるまで見送ったり
そんなことを想ってる
今を生きるあなた
けさは鳥が鳴いている
木々がざわめく
窓を開けたら今年初めての金木犀の香りに出逢えた
そっと目を閉じる
大きく息を吸いこむ
ほんとうはこんなに近くにあるしあわせを
私にも気づいてほしい