大人 えんじぇる
人には誰しも、したごころ、うわべごころ、そして、なかごころがあります。
したごころは、うわべごころに反発します。
うわべごころは、したごころに反発します。
それを冷静に俯瞰し、観察しているのがなかごころです。
人が大人になると言うことは、外の世界でどう立ち振る舞えばいいかと言う、しのびごころとおおやけごころの訓練の積み重ねです。
しのびごころと、おおやけごころを持つには、 はじごころを持つ必要がある。
それには、社会的に良い良くないと言う尺度を、持つ必要がある。それが、教育なのです。
教育を人が甘んじて受けるには、しもべごころを持たなければいけない。しもべごころを持つためには、罰が必要です。そのために、罪があります。
王として生まれてきた人間は、しもべごころを持つことで、大人へと成長していきます。
大人になってからも、このしもべごころを持つことで、人の話を素直に聴けるようになります。
赤ん坊が母親の目を観察している時、なかごころが生まれ、したごころとうわべごころを、どう扱うべきかという思考錯誤と、舞台上での演技が生まれます。
うわべごころだけでは、人は大人になれない。したごころだけでも、人は大人になれない。
したごころ、うわべごころ、なかごころ。
それを伝え、この世界の愛を育む真心。年を経ても、人への愛を捨てぬ、孫心。この心を忘れずに往生すれば、立派な大人です。
立派な大人になるにはどうすればいいか? それは伝統に学ぶ。おじいちゃんの世代の話を子供の時、よく聞いていたか? おじいちゃん、おばあちゃん。3世代前の人が如何に、子煩悩を通せたか? それを子供の時しっかり受け取ったか? それが一つの鍵になる。