シャボン玉 朝霧綾め
少女がシャボン玉をふくらます
慎重に息を吹いてふくらます
シャボン玉は少しずつ
大きくなっていく
少女の顔と
同じくらいの大きさになったとき
少女はそっと
ストローをはなす
あお
むらさき
きいろ
みどり
大きなシャボン玉は
きらきらと虹色にひかりながら
上へ昇っていく
ずいぶん高くまで昇って
しばらくすると
パッ
かすかな音をたてて
割れてしまった
それを下からみていた少女は
少し寂しそうな顔をする
でもすぐにまた
ストローを液につけ
シャボン玉をふくらます
もっと大きなシャボン玉を
ずっと消えないシャボン玉を
この世界の虹色が
少しでもふえるように