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スレッドNo.2961

10月17日から10月19日までのご投稿分の感想と評です。   夏生

10月17日から10月19日までのご投稿分の感想と評です。


「猫」 喜太郎さん

喜太郎さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「猫」の感想を送らせていただきます。
猫をかぶる、という言葉に良い印象やイメージはないように思いますが、御作から
この言葉の印象が一気に変わりました。
その日の天候や気分によって変わる「猫」の種類。
<また黒にするかな
と、黒を選ぶ主人公。誰でにも近づいてほしくない、自ら群れることもない、と
あえて一人でいることを選んでいます。
それはなぜか。読み進めていくとわかります。飼い主を失った経験から
何色も何者にも染まることのない黒を選び、まるで保護色のように
思い出の涙のような雨の中へ出かけます。
雨音や温度、雨の匂いまで感じられる静けさがかなしみを誘います。
喜太郎さんの繊細な感性がひとつの言葉の印象を一変させました。
詩の醍醐味がここにあります。一篇の詩から言葉の別の一面を見たような
心地よい衝撃がありました。読後の余韻の切なさも美しく残りました。
御作名作とさせていただきます。



「紅葉の歌」 おこぜさん

おこぜさん、はじめまして!
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
僭越ながら御作「紅葉の歌」の感想を送らせていただきます。

<秋が旬の幽霊
ここ、いいですねぇ!幽霊といえば夏、という概念をあっさり取っ払っています。
この幽霊は扉に挟まってしまった。幽霊は肉体はないもの、という概念も取っ払っています。
<解いてやると、ほっと息をついてから、急に紅くなる
幽霊が人間味を一気に増した瞬間がここに描かれています。
幽霊は夏に見るもの、肉体はないもの、人間味もないもの、という概念を
潔く取っ払らわれた詩は故郷の詩だった。
なんともユニークで常識や概念に囚われない自由な表現が魅力的な一篇でした。
ありがとうございます。



「ロマンティック」 えんじぇるさん

えんじぇるさん、今回もご投稿くださりありがとうございます。
僭越ながら御作「ロマンティック」の評を送らせていただきます。

<女の人の、いちばんあったかいところが、すきだ。
女の人の、いちばんあったかいところはどこだろうと考えました。
身体的なところか精神的なところか…。
<あたまなでなでもぶっとぶ
とあったので、母性的なところか、など。どこだろうどこだろうと
しばらく考えました。
女性は体内の自然現象から月に一度(個人差はあります)体温が上がります。
これも母性に繋がっているかもしれない、と考えてみたり。
読む人の性別によって解釈が違うかもしれません。
ふっと考えさせてくれる面白さのある一篇でした。
次回もお待ちしております。



「にゃおんシステム使えます」 紫陽花さん

紫陽花さん、今回もご投稿くださりありがとうございます。
僭越ながら御作「にゃおんシステム使えます」の評を送らせていただきます。

にゃおんシステム使えます、なんと可愛らしいタイトルでしょう。
世間にはワオンはありますが、にゃおんがあってもいいですよね。
この詩は猫の生き上手さが描かれています。一匹でも生きる術はある。
それでも失敗してしまったら、奥の手もちゃんとある。
この生き方の強かさ、しなやかさ。猫の身体のような柔軟さも感じられます。
にゃおんシステムにすっかり利用される人。それもどこかうれしそうです。
いきいきとした描写、猫視点の語り口もこの詩の魅力となって光っています。
「にゃおんシステム最高だ」と思わず読者も言ってしまいそうになる一篇でした。
御作秀作プラスとさせていただきます。

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