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スレッドNo.3031

ふゆがれ  鯖詰缶太郎

花火が散るのは
  どうにも

最後の 火花が
  ぱらぱら
落ちて いくまでを
   見るのが
どうにも
   遠足ですから
だなんて
   あなたには
言ったのですが
粋なひとこと
で あるな
  と 思うのは
どうにも
   中途半端に年取った
僕だけのようで あります

さむい季節に なりまして
 そろそろ
手袋や マフラーでも
買いにいかなけりゃあ と
思いまして

自転車
  風 きり
服屋に
行ったんですね

店番 しているのは
きつねの子供で

おやおや
母きつねは
今夜は
別の夜勤で 忙しいのかい と
思い
てきとうな
防寒具を 物色していました

子どもの きつねは
うとうと しながら
起きている時は
しっかりと
「いらっさーまさー」
と 大真面目に 言うのですが
あれでは
大人になった時の事が
おもいやられます

最近は
なんでもかんでも
手当たり次第
「だます」
のが 流行っているものですから

いくら
きつね とはいえ
そう けなげでは
先が おもいやられるな
と 思ってしまうものです

こんな 子どもの
きつねを 見て
はっぱを 紙幣だと
言い張ろうか
などと 思うのは
にんげん くらい
だろうなと
ふと 思いました

三百円 程度の
マフラーを 買い
レジで 精算しました

子どもの きつねは
僕を 化かすこと なく
きちん と
マフラーを
おりたたみ
僕に
マフラーを 渡してくれました

「いらっさーまさー」
頭を こくりとさげ
ねむそうな かおを
鼓舞するように
おおきな こえで
僕を おくりだすのでした

煙草を買うのを
  忘れてしまうなんて
僕は
   やはり
冬が そんなに好きではないようです

あなたに 御歳暮を
贈る 季節でしたね

今年は なにに
しましょうかね

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