君の言葉は蜂蜜 司 龍之介
君を一目見た時から
つい目で追いかけてた
まさに夕焼けに沈む西の太陽
そして夜空に輝く星
人生が急に光を纏い出す
さらに君の言葉は蜂蜜
ホットケーキに塗って食べたいよ
もうほっとけない!
耳元で囁くなんて
なんてことをしてくれたんだろう
君の言葉は旱天の大地に降り注ぐ慈雨
くそっ!
君のことをなんとも思ってなかったら
俺はこんなにも自分を見失わなかった
頭がくらくらする
うっとりとろけて
甘美な心地が俺を支配する
ああ、もう抜け出せないや
君の言葉が心底まで溶けて
俺の心をすっかり不純物にしてしまった
いや、寧ろ洗われたのか
ただ「ありがとう」と言われただけなんだけど
これほど力がある言葉だったとは
今まで軽く見てたよ、ごめん
君の声が鼓膜と一体になって
とっくに外は静寂なのに
ずっとぶるぶる振動している
君はリンドウだ
静かで凛としていて
髪は柳だ
靡いて揺れる
目はマリーゴールド
光が宿り吸い込まれる
鼻はダリア
豪華絢爛
唇はケイトウ
炎を幻惑し俺の心を燃え上がらせる
君の言葉は蜂蜜
蜜蜂たちが愛情を込めてくれたんだ