季節は風とともに ふわり座
季節の匂いを風が運んでくる
春は草花の匂い
夏はアスファルトの焼ける匂い
秋は紅葉の匂い
冬は凍りつきそうな土の匂い
季節の匂いは心を落ち着かせる
忙しい毎日の中で明け方に外に出た時に
感じるそれらの匂いはとても特別で
子供の頃の思い出まで呼び覚ます
そしてその時の朝日は瞳の奥に焼きついた
季節の匂いは日常で忘れていた事を思い出させる
春は暖かい原っぱで寝ながら青い空を眺めていた
夏は日向を避けて森の中を歩いていた
秋は道に落ちる枯れ葉を踏みながら数を数えていた
冬は誰も歩いてない降り積もった雪を
自分の足跡でいっぱいにした
思い出した風景の中ふと思う事がある
あと何年思い出を振り返る事が出来るだろうかと
そう考えると出来るだけ外に出て思い出を
積み重ねていこうと思う 毎年毎年
思い出される事が増えていきますようにと
春の風 夏の風 秋の風 冬の風
しっかりと胸に刻んでゆきたい
家族や友人との思い出一つとってみても
とても懐かしく思える それが自分だけのものに
なれば尚更だ 何かが生まれ何かが消えれば
運ばれてくる匂いも変わってゆくのだろう
だからこそ今あるものをしっかりと感じていたい
記憶とは少し違った思い出
この胸にあるものを大切にしたい