ぎっくり腰で戦おう 紫陽花
いつだって 少しだけ
あと少しだけ頑張ろう
と囁く何かにそそのかされ
全く力の入らない
老女を車椅子から
ベッドに移乗した
老女の脇に腕を通す
私の肩に腕を乗せてもらう
ベッドに移動しましょう
声掛けて
老女は少し硬い顔
私は努めて笑顔で
持ち上げる 移動する
老女のお尻が
ベッド近くに来た時
私の腰が限界を迎えた
腰から太もも裏まで
糸を張ったような
嫌な痛みが来た
それでも何とかベッドに
老女を座らせた
ベッドに座れた老女は
微かに微笑んでいる
移乗は成功した
私も微かに微笑み返す
ただ私の腰が若干壊れた
帰り道しょんぼりしながら
行きつけの整体に行く
これはぎっくり腰って言います
そうですか
今日から私の腰は
ぎっくり腰という名前付き
しばらく通ってくださいね
微笑む整体屋さんを後にした
仕方ない
明日から私はしばらく
ぎっくり腰で戦おう