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スレッドNo.3093

11/21〜11/23までにご投稿分の評と感想です。  井嶋りゅう

11/21〜11/23までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。


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「少女人形」喜太郎さん

喜太郎さんこんばんは。
子どもの頃、人形派とぬいぐるみ派がいたのを思い出しました。私はもっぱらぬいぐるみ派だったのですが、確かに人形も持ってました。人形は人間に似せて作られているので、子どもながらに生きているように感じてしまって怖かった記憶があります。姿形が人間に似ているものは魂が宿りやすいと聞いたことがありまして、そう思うとこの詩もまんざら想像だけの世界でもなく、妙にリアリティを持って迫ってくるものがありました。愛情を持って接していると、本当に喋っていることが聞こえてくるのかもしれないと、この二人きりの世界では互いがまるで初恋の相手であるかのように、うっとりと恍惚感に包まれる時間が流れているのかもしれないと、この詩を読んで思いました。一連ずつ、交互に互いの気持ちのパートが書かれていたので、惑うことなく読み込めたところ、良かったです。ただ、最終連なんですが

ガラスケースの中
君は笑う
私は笑う

ここなんですが、「君」と「私」は人形のことを指してらっしゃいますか?「私」ではなく「僕」の間違いなんでしょうか?でも「僕」だとしたら「僕」もガラスケースの中に入っていることになるので人間ではなく人形だったというオチになってしまうので、詩の流れからいうとやっぱり「僕」ではないですよね?そうなりますと、「君」と「私」は共に人形のことだと思いますので、この3行はくっつけないほうが良いように思います。

ガラスケースの中/君は笑う→これは僕のパート
私は笑う→これは人形のパート

この3行の中にふたつのパートが入っているので、少し違和感を抱きますので、「君は笑う」で終わってもいいかもしれません。
あるいは、「私は笑う」を「私たちは笑う」に変更してから、この一行を独立させてはいかがでしょうか?
これは私の提案ですが、喜太郎さん流に、宜しかったらご一考ください。佳作一歩前といたします。(余談ですが、人形は誰とも目が合わないように作られているそうです。)


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「君の言葉は蜂蜜」司 龍之介さん

司 龍之介さんこんばんは。
「ありがとう」という言葉は、実はとっても偉大ですよね。3連目がとっても良かったですね。「俺の心を〜洗われたのか」この2行が出来事の衝撃を語っていました。ありがとうの一言で世界が逆転したかのような、核心に触れたかのような、急に恋心が芽生えて、めろめろ感にくらくらしているような。それなのに詩にはとてもスピード感があって、最後は「君」に対してお花の形容のオンパレード。そんな「君」の口から出る言葉は蜂蜜だという。ということは詩の中の「俺」はさながら花に吸い寄せられる虫ででもあるかのよう。一気に加速していく気持ちが、実によく描かれていました。ただ、1連目に蜂蜜が出てくるのに、お花が出てくるのが最終連だけ、というのが少し惜しいようにも思いました。合間合間にお花が出てきた方が、花のように美しい君をもっと表現出来たかもしれませんね。正直で気持ちの良い詩でした。佳作一歩前といたします。


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「武士は食はねど高楊枝」積 緋露雪さん

積 緋露雪さんこんばんは。
今まで何作か作品を読ませていただいてますが、内容は違えど、自身の内面へのアプローチ方法として、まず先に丁寧な分析による例題のようなものから始まり、破綻なく自身へと辿り着く、その経緯がとても理論的で読み応えがあって面白く、個性的で律儀で礼儀正しいと感じます。そこには積 緋露雪さんの人間性も垣間見れるような気がいたします。今回の詩も同様に、上記のようなものをふんだんに感じます。このような詩は積 緋露雪さんの中ですでに完成されていると言っても良いと思います。私は今回の詩は、特に後半に注目いたしました。「と、そんな妄想をしながら」以降の部分ですね。どちらかというとこの詩は前半より後半のほうが大切だと感じるんです。伝えたいことだと思うんです。と言いますか、伝えてほしいと思うんです。が、バランスとしては後半部分が少なめです。前半あっての後半なのだと分かっていても、どちらかと言うと後半にスポットを当てて書いたものをよんでみたいと、今回は強く思いました。きちんとご自身の考え方も貫かれていて、ブレることのない素晴らしい詩を書かれれる積 緋露雪さんです。もう一度言いますが、このような書き方の詩は積 緋露雪さんの中でもう完成されていると思います。佳作とさせていただきます。

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「秋雨が映すもの」エイジさん

エイジさんこんばんは。
早朝5時に、どしゃぶりの秋雨に濡れながら出かけた先は、郵便ポスト。という事実が意外で、やられた感がありました笑。「混沌」という言葉が出てきます。この行動自体が「混沌」なのだろうと感じました。雨の描写が非常に細かくリアルで、そうそうこういうふうに濡れるんだよね、と、木の枝が傘にぶつかって余計な雨粒を浴びるんだよね、と、逐一納得共感し、雨に濡れた時の不快感までよみがえってきて、非常に良かったと思います。夜明け前に、悲鳴をあげる腰を抱え、一体どんな手紙だったのだろうと聞きたくなりますが、そこはあえて秘密でいきましょうか。それだけ大切なものなのだと。とても良かったです。佳作といたします。


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「祈り」紫陽花さん

紫陽花さんこんばんは。
この詩はとっても良い詩なんです。薔薇の葉っぱについた芋虫。葉っぱを食い尽くし沢山の小さな穴を空ける芋虫。薔薇にとっては害虫になってしまう芋虫。芋虫はお食事中ですが、薔薇が弱ってしまうので「私は私の都合で」(ここ、良いですね)葉っぱごと切り落とす作業をする。紫の花を咲かせるために。一方で。母の心にも沢山穴が空いていることに気づいている。しかし薔薇に対するようにはさみで切り落とすことが出来ない。だから母の手を撫でる。祈りながら、撫でる。この詩は、3連から出来ていますが、基本は1連目だと思うのです。内容は繋がっていますが、書き方としては、1連目とそれ以外がくっきりと分かれています。そこで提案です。あくまでも1連目を基本として、2連目と3連目を組み込んでしまう、ということです。今はまだ難しいと思いますが、この詩はとっても良い詩なのです。紫陽花さんの書き方で、ぜひ試行錯誤して、あくまで1連目を基本として、お母さまの心の穴を1連目に組み込んでいけたら、この詩は唸るほどの良いものになると思います。いかがでしょうか。宜しかったらご一考ください。佳作半歩前といたします。

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「胸元にバーコードをつけた少女」荒木章太郎さん

荒木章太郎さんこんばんは。
胸元にバーコードをつけているということは、商品ということでしょうかね。つまり少女の人形ということでしょうか?今回はたまたま喜太郎さんの「少女人形」という投稿作品がありまして、お人形の詩が2作となりました。ですが荒木章太郎さんのこちらの詩は、喜太郎さんの詩とは少し受ける感じが違いました。何となく近未来的な感じを受けました。AIの世界といいますか、さわれる世界というよりもデータ化された世界と言いますか、そんな感じを受けました。プログラムした人が居て、パソコンの中で誕生して育てられていく、そういう世界のように感じました。これからもっともっとそういう世界がリアルになっていくのだろうと、こちらの詩を読んで考えました。そうですよね、姿形を与えられた存在は、どんな場所であれ意思を持つかも知れませんよね。しかもこの少女はどことなく健気で、少し寂しい印象を受けました。技術が発達するということは、こういう寂しさも誕生するのかも知れないと、ふと思いました。佳作一歩前といたします。


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以上、6作品のご投稿でした。
どうもありがとうございました。

もう12月に入りました。
今年もあと1ヶ月もありません。
やり残したこと、やり遂げたこと、皆さんそれぞれあるかと思いますが
たまには自分をほめてみたいと思います。

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