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スレッドNo.3098

詩的宇宙旅行  理蝶

月の国への手土産は
詩人の夜毎の成果
詩人と月の密談の議事録
つまりはこの星に生まれたいくつもの美しい詩

僕はかぐやを呼びつけて
月までひとっ飛び
青い星の詩を月の国の人々に説いて回る旅

彼らは不思議そうに詩を聞いている
彼らの心の中に
次々と名前がついて
言い当てられる
そんな詩が僕の星には沢山ある

お返しに彼らはこの宇宙の始まりを
少しずつ教えてくれる 
彼らはこれまでの全てを知っている
いくつかのロマンは崩れたけれど
僕はそれに少し安心したりもする

彼らだって僕らと同じで
これからのことはわからないことばかり
だからこそ彼らは詩を求めている
心を形にする術を求めている

僕は月に文学を植える
やがてそれは芽生え育つだろう
いつかきっと
青い星に誰かの悲しみを重ねて
出会いや別れを歌うだろう
僕たちが月にそうしていたように

僕は青い星に帰る
月の文学に期待して
僕はまた月を見上げる

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