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スレッドNo.3124

私は誰の痛みも分かっていなかった 紫陽花

今まで何回転んだだろう
その度に痛みを覚えた
初めて自転車に乗って転んだ
血だらけの膝を抱えて
泣いた私
あれから数えきれないほど
転んで転んで
その度に痛いと感じた
絶対に忘れないと思った

大人になった私は
あの頃より転ばなくなった
でもあの痛みは覚えている
そう思っていた
だから我が子が転んだとき
私は自然と痛いねと声をかけた
私も痛いつもりになっていた

私は先週腰を痛めた
立ち上がり 歩き初めに
腰に鈍い痛みが走る
痛いとはこういうことか
今更ながら
私は痛いということを
忘れていた自分に気づいた
腰痛に悩んでいる義父に
痛いですねなんて言っていたが
私は一つも一ミリも分かっていなかった
この体の痛みを

ただ悔しいことに
現在私の腰は治りつつあり
また私は痛みなんて全く分かってない
誰の痛みも分かってない
どうしようもない私に戻りつつある

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