理想 司 龍之介
彼女はコップを掴むとぐっと一息
朝日を感じて椅子に凭れ掛かる
ふうと一息吐いて目に輝きを灯らせる
今日からまた仕事が始まる
仕事は楽しい 今の仕事を好きになれたから
収入もそこそこあってみんな良い人
嫌なこともあるけど光は見失わない
幸せな朝食を済ませて
彼女は椅子から立ち上がり身支度する
昨夜聴いた歌がまだ耳に残ってる
鼻唄に乗せたら小鳥が囀る
外に出ればカラスが出迎え
カアカア鳴いて同じ行き場所へ飛んでいく
「おはよう、カラスさん」
彼女はそう言って乗車
人には笑顔で挨拶して向こうも笑顔を返してくれる
仕事仲間とは友達の様で出来ない事をお互い助け合う
知ってる事は惜しみなく教え教えられたら「ありがとう」と言う
仕事が終わり「今日もよく頑張った」と言って
一番星と月を見つけて
好きな音楽をかけて赤信号で止まって
耳を傾ける
「ただいま」
我が家に着いて綺麗な玄関が出迎え
今日は質素な夕食を「美味しい」と言って食べ
今日のご褒美はスーパーで買ったショートケーキ
二個あるから明日も食べれるヤッター
彼女はお風呂に入り神に感謝を捧げる
外で静かに虫が鳴いている
元通りになった体は
ほとんど虫が癒してくれた
本を読んでいたら眠たくなって
ベッドに行って
セットされたベッドメイキング
きっと彼女をずっと待っていた
体が沈み込むのを感じて電気を消す
「おやすみ、みんな」
今日も一日が無事に終わった