◎評と感想です。 (青島江里)
【評と感想です】
☆OD 喜太郎さん
スマホは、とても便利なアイテム。ですが、時には、居場所をスマホに求めすぎてやっかいなことに巻き込まれているケースもよく報道されていますね。この作品を拝見して、TVの報道していたことなどが浮かんできました。
全体的にみて、個人的に気になったことは「ONEシート」っていう表現でした。スマホってちゃんと書いてくれているのですが、もう少し違う言葉でできないかなって思いました。PCなどを使っている人からだと、すぐにわかるのかなって思いますが、ふだん、スマホの画面のことを、私はONEシートって使わないので、私なら一画面っていう感じにするかなって思いました。シートって、紙と勘違いする可能性もあるので。結構、この作品の中では、主要的な言葉にもなっていると思えるので。
『ダルい』っていう3文字。これは便利な言葉ですよね。「しんどいよぉ。」っていうよりも幾分カッコつけられるし。たった3文字で自分のネガティブな状況を説明せずに終わらせることができるし。でも結局は、作者さんの書いているように、自分と向き合う機会を捨てるっていうことになると思いました。
三連目では、偏った欲求に傾いた大人の偽善がよく描かれていると思いました。「夜の闇の中のさらに影に立ち」・・・ギラギラした夜のビル街での闇と闇の影、自分を大切にしろよからのHOW MUCH。こちらからは、アクドイ大人の姿を感じました。
最終連のシャンパンタワー。どういう場所にいるのかが、一気に把握できました。ガテン少女の嬉し涙。これは切ないですね。「嬉し涙を注ぐ」っていう表現から、儚い一晩のために、湯水のようにお金を注ぐ少女の姿が浮かんできました。これは、かなり切ないですね。
タイトルからも、依存してはいけない儚い夢に依存する若い人たちの心の闇を感じました。今回は佳作一歩手前で。
☆ぎっくり腰で戦おう 紫陽花さん
介護する様子が浮かんできます。年老いた女の人だからといって、そう簡単にベッドから移動できないですよね。こつがあるっていう人もいるけど、さらりとこなせるようになるまでには、ある程度の時間も要すると思いますし。
拝見していて感じたことは、生きている人の重みでした。自由に動ける人に対しては、意識して重いなんて思わないけど、こうやって伝わってくる重みから、健康であることのありがたみや助けてくれる人への感謝ということも感じました。
作中の「老女は少し硬い顔」「ベッドに座れた老女は/微かに微笑んでいる」・・・この二つからは、言葉にしないけど会話できているっていうコミュニケーションを感じました。介護する側の心の細やかさも感じさせてくれました。また、「糸を張ったような/嫌な痛み」この表現もよく考えて表現されているなぁと思いました。
終盤の整体屋さんのシーン。こちらは介護の緊迫するシーンが続いたためかもしれませんが、ちょっとあっさり気味な感じもしました。爽やかな感じでいいのですが、「ぎっくり腰で戦おう」で終わらせてしまうのは、ちょっともったいない気がしました。がんばっている自らのために、印象深い言葉や表現をご馳走してほしいなって思いました。
優しい気持ちで介護される方はしあわせだなと。優しく介護してくださる方を応援したくなる作品でした。今回は佳作一歩手前を。
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冬が始まりました。師走のにぎわいを感じる時期がきました。
一年もあと少し。はやいです・・・・・・。
みなさま、今日も一日おつかれさまでした。