始発電車 ベル
まだ夜も明けない時間に
駅まで歩く
まだ車の通りも極端に少なく
排気ガスで濁ってしまう前の道路を歩く
澄んだ空気が気持ちいいね
見上げれば星々が朝に向かう
ちょっと得した気分の夜明け前
駅前広場の公園のブランコも
まだ眠っている
夜のあいだは子どもたちの夢の中
劇的な変化は起きなくても
こうして毎朝歩いていけば
太陽と月のあいだで
思い出が積もっていく
振り返った時に残した足あとが
僕の人生だったと笑いながら泣こう
愛しい日々に
消えない記憶に
始発電車に揺られながら思う
もうすぐ太陽が顔をだすよ