雨の大晦日 喜太郎
大晦日の昼下がり
ボサボサ頭でコンビニへ
外は雨ふり肩すくめ
折れたビニール傘の骨
ワンカップの酒三本と
カップ麺の蕎麦一つ
チンするだけの餃子と軟骨
よれた財布でお会計
戻れば万年床に腰下ろし
テレビをつけて垂れ流し
パカっと開くワンカップ
半分呑んでため息か
来年こそはと繰り返し
いつものように年を越す
残りの酒を飲み干して
万年床に横になる
見上げた天井 雨の音
なんだか今年は寂しくて
雨のせいさと独り言
雨のせいさと独り言
いつしかうとうと夢の中
三十日(みそか)の夕暮れ雨模様