コラール エイジ
静寂の中から湧き出でる
微かな音階が一筋
聖堂から天へと昇ってゆく
今しがた逝ってしまった
母を悼んでいる
哀惜の念が掻き立てられながら
今まさに天に昇ろうとしている
やるせない感情は
音の伝う旋律によって
深く揺さぶられ
一つの曲へと昇華して
高く高く響き渡る
最低音が旋律と交差して
空中を昇りながら
雷鳴のように轟き
悼みは雲を縫ってまだ昇る
旋律が終わる頃
私の哀しみは
主の胸元へ
彼女の下にも
届いただろうか
そして再び訪れる
永い永い
静寂
彼女は僕の心を
深く抱きしめたまま
天の床についた