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スレッドNo.3291

1/2〜1/4 ご投稿分の感想です。 紗野玲空

諸事情にて、お先に評投稿させていただきます。
申し訳ございません。
1/2〜1/4 にご投稿いただいた作品の感想でございます。
素敵な詩を沢山ありがとうございました。
一所懸命、拝読させていただきました。
しかしながら、作者の意図を読み取れていない部分も多々あるかと存じます。的外れな感想を述べてしまっているかも知れませんが、詩の味わい方の一つとしてお考えいただけたら幸いです。

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✩「満月の夜には」 積緋露雪さま
積緋露雪様、こんにちは。
今回も御投稿いただきありがとうございました。
私にとって、今年最初に拝読させていただいた詩です。
素敵な詩で本年をスタートでき、とても感謝しております。
前作同様、大変重いテーマに(今回は死と出産ですね)じっくりと向き合い、綴られた詩句に、とても感銘を受けました。
満月の夜がもたらす生と死の不思議…初連から引き込まれました。
初連だけでも、充分に1篇の詩となり得る壮大さです。

2連から、機械によって可視化された「死」に対する疑問が、丁寧に綴られています。とても説得力があります。
2連、3連とも「死は厳粛なものである。」で始められていますが、3連で、更に2連での思いが強調されているように感じられました。
4連では出産に目は向けられ、5連で死と出産の落差に思いは向けられていきます。
6連で再び初連の満月へと視線は戻り、キラリ光る1詩文で締め括られています。
長い詩文による思考が、緻密な構成のもとに、説得力を以て訴えかけてくる力強い詩だと感じました。
年頭に相応しい力作…ありがとうございました。
佳き作品でした。

個人的な欲を言えば…、「死を疎んだからこそ、死の時代が訪れたといっていい。」そして、「自然はピカ一の皮肉屋なのである。」をつなぐ詩句をもう少し読んでみたかったです。

(細かいですが、1連目「納得でるのか」は「納得できるのか」、3連目「余計のだ」は「余計なのだ」で宜しいでしょうか。脱字として拝読させていただきました。)


✩「雨の大晦日」 喜太郎さま
喜太郎様、こんにちは。
今回も御投稿いただき、とても嬉しいです。 
前作の甘酸っぱい詩とは全く異なる雰囲気で、驚かされました。
こちらもなかなか素敵ですね。
何となく侘しさが募る雨の大晦日…いいですね。
尾崎放哉の名句「咳をしても一人」がふと想起されました。

ボサボサ頭でコンビニ、折れたビニール傘、ワンカップ…情景が浮かんできます。

「来年こそはと繰り返し
 いつものように年を越す」
私もまさにこの通りです。
深く共感しました。
スルメでも手土産にして、一緒にワンカップで乾杯したい感じです。

「雨のせいさと独り言」の繰り返しも、リズムがあっていいですね。
喜太郎さんは、反復法を随所に盛り込み、いつも効果的に使ってらっしゃると思います。

音読すると、更に素敵ですね。

一つだけ…「呑んで」と「飲み干し」、「呑」「飲」の使い分けの理由が少し気になりました。

佳き作品でした。
ありがとうございました。


✩「献身国民観察日記」 えんじぇるさま
えんじぇる様、こんにちは。
御投稿、ありがとうございます。
面白い詩ですね。

献身とは身を捧げること。自分の利益を顧みないで他者や物事の為に自己の力を尽くすこと…。そういう精神を持つ国民を観察した日記なのですね。
とても興味をそそられるユニークな題です。

「…まーしゅ」という一見投げやりな語尾に、えんじぇるさんが詩にこめた皮肉が感じられます。
一種の社会批判ですね。

自分のために生きている人の主張、それに反する、人のために生きている人の返答が、交互に組み合わされる構成も、とても工夫されていると思いました。

「どこに行ってもなにをやっても、みんな自分のために生きている。…」
「こうして献身国民は一生仕事にも恵まれず、社会にも組み込まれませんでした。…」
の最後の2連がえんじぇるさんが仰りたい結論ですね。
他者の為に力を尽くそうという志はあっても、こう世知辛い世の中では、なかなかその思いすらも発揮できないようです。

とてもウィットに富んだ佳き作でした。
ありがとうございました。

一つだけ…「献身国民」というえんじぇるさんのオリジナル造語の定義が、今ひとつ伝わりにくいかもしれません。
その辺りを少し補っていただけたら、より詩意が明確になるのではないかと存じます。


✩「新たな年に想うこと」 埼玉のさっちゃんさま
埼玉のさっちゃん様、こんにちは。
御投稿ありがとうございます。

年頭にあたっての力強い想いが感じられるとても素敵な詩だと思います。
今年は、元日から大きな災害、事故が続き、本当に胸の締め付けられる思いが致しました。
埼玉のさっちゃんさんの詩文一つ一つに深く共感致しました。

ただ、少し欲をいえば、普遍的すぎるかしら…。さっちゃんさんの詩として、とても勿体ない気がするので、さっちゃんさんの独自の具体的な体験などを少し盛り込むと、またオリジナリティある趣きある詩になるのではないかと思います。

読み手の心にも、新年の緊張感と願いを思わせる佳き作品でした。
ありがとうございました。


✩「砂時計」 荒木章太郎さま
荒木章太郎様、こんにちは。
御投稿、ありがとうございます。

詩句一つ一つが、とても吟味され、選び抜かれた言葉によって綴られているのを感じました。
「生活を区切る水平線」「破られた日常の境界線」と、とらえられた光景の広がりは、そのまま詩の広さにも繋がっているようです。
とても壮大なテーマのように見受けられますので、詩意を読み取れず、大きな勘違いをしているかも知れません。
お許し下さい。

僕が走る砂浜は現実なのでしょうか。その現実とはしかし、既に先端ではなくなったにも関わらず、相変わらず暴走し続けねばならない、かつての実験都市…エネルギーや高度技術の間違った扱い方によって新たな問題を突き付けられた現実のように思われます。

変わり果てた君の姿とは、本来のあるべき世界、自然の姿、地球を指すのでしょうか。
過ちを繰り返してきた…時の重なりを、砂粒のように積もった時を、拾い集めて砂時計にする…。
そしてその砂時計を、極めて日常的に使うことによって、人間の本来あるべき生活に立ち戻ろうとしているかのようです。
或いは、君の姿とは…
意せずして別れざるを得なかった大切な人…砂時計は在りし日と失った後とを繋ぐ大切なものなのかも知れません。

色々な読み方ができ、読み手それぞれに違った感慨を呼び起こさせる素敵な佳き詩でした。
ありがとうございました。


✩「おかえり私」 紫陽花さま
紫陽花様、こんにちは。
御投稿、ありがとうございます。

前作は、御子息様への深い愛情に溢れた素敵な作品でしたが、本作は、お母様への思いが綴られていますね。

頭の中にできた小さな池とは、水辺が好きなお母様と対話なさる為に、紫陽花さんが作られた安らぎの場所なのでしょうか。
日々、色々考え続けねばならず、不安や心配事に占領されてしまう脳の中…。
求めた池は、川になり、海になり…
母というものは、そういったものだなあと、私も改めて自分の母に思いを馳せました。
いつ何時でも、自分の力となり、支えになってくれるのは母ですよね。

頭の中の小さな池はやがて海に…詩文自体も、水源から小さな流れとなり、川はやがて大洋へと静かに流れていくように、緩やかに流れるような動きがあり、とてもよかったです。

紫陽花さんの詩は、ご家族への愛情に溢れ、ほろりとさせられます。
お守りにしたいような詩ですね。
本当に素敵なとても佳き作品でした。
ありがとうございました。


以上、6作品、御投稿いただき、誠にありがとうございました。
それぞれに、素晴らしい作品で、全て佳き作とさせていただきました。
十分に読み取れていなかった部分も多かったかと存じます。
読み違いはご指摘いただけたら嬉しいです。

本年は元日から災害、事故が続き、不穏な幕開けとなりました。
犠牲になられた方にお悔やみを申し上げますと共に、極寒の地で苦しい生活を強いられている皆様が、1日も早く通常の生活に戻れますよう祈っております。
地震大国日本…明日は我が身…力を合わせて乗り越えていきたいですね。

本年も宜しくお願い致します。

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