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スレッドNo.3296

評ですね。12月22日〜25日ご投稿分   雨音

「チョウゲンポウの秋」上田一眞さん
上田さん、お待たせしました。そちらは夜ですから、こんばんは。
チョウゲンポウという鳥は知りませんでした。隼の仲間なんですね。
猛禽類が好きなお兄ちゃんが小さな温もりである妹をおぶって、チョウゲンポウの姿を探す秋の夕暮れ時。日が落ちていくに連れて、まるで切り絵のような美しいコントラストが目に浮かぶようでした。ひんやりとしている空気の中に、温かさが満ちています。佳作です。
最終連だけ、もし私だったら、ということで、参考にしてみてください。
そこは
ホコホコとした
命の温もりに溢れている
秋の洛陽が赤く空を染め
ひんやりと冷気の漂う
晩秋の愁いの中で
ホコホコが可愛いので、最後の最後に持ってくるとこの詩のイメージがそこにさらわれてしまうような気がしました。ただ、そちらの雰囲気でまとめたい、ということであればこのままでOKですよね。参考までに。

「Happy Christmas♪ 素敵じゃないか」えんじぇるさん
えんじぇるさん、お待たせしました。こんばんは。
クリスマスといえば、天使ですから、お忙しかったかもしれませんね。
縄文土器、といえば、土偶ですけれど、ちょっと調べたら、土偶は女性を模ったものではないという説もあるんですね。それはさておき、クリスマスって日本では恋人たちの祭典みたいな雰囲気になっていたっけとふと思い出しました。欧米だと家族の日ですから、全然趣旨が違うんですが、そう考えると、えんじぇるさんが縄文土器まで遡っていく(日本文化を)はある意味面白いなと思いました。冬って人肌が恋しい季節です。縄文人まで遡って考えると、一人ではなく、誰かと生きて行きたいというのは人間、生き物の本能なのかもしれませんね。そう言ったことを踏まえて、作品ですが、縄文人から現実世界への繋がりの部分が少し書き足りないようです。ここはしっかり書かないと、どうしてそうなったんだろう、となって、その後、さらに障がい者へと話が動きますが、読者の感情をそこに向かわせることが難しくなりますね。三つ分の作品が一つになっているような感じにならないようにつながっていたらとても良い作品になると思います。かなり大作になると思いますから、丁寧に手を入れて育ててみてくださいね。

「雑踏」井嶋りゅうさん
りゅうちゃん、お待たせしました。知らないうちにクリスマスプレゼントをいただいたようなそんな気持ちになっています。雑踏に溢れるたくさんの人たち、誰もがみんな誰かなのだというのが、「屋」という屋号を持って歩いています。それは一見なんだかちょっと短所のようだけど、もしかしたら、愛すべき部分なのかもしれません。そこに現れた屋号サンタ、みんなをちょっと笑顔にして、子ども心を思い出させてくれます。みんなちょっとだけ嬉しくてちょっとだけ寂しくって、誰もが別々だけど、誰もが一緒なのかもしれない、という言葉は「寂しがり屋」だけど、じんわりと「みんな一緒だよ」という温かいメッセージが伝わってきました。さすがでございました。最後に向かっていく勢いが風船のふわふわではなくて、ロケットのようでした。りゅうちゃん、今年もどうぞ仲良くしてね。

「五百円玉が空から降って来る」三浦志郎さん
三浦さん、三浦さんからもクリスマスプレゼントをいただいていたんですね。ありがとうございます。実はわたし、最近カラスへの見方?が変わったんです。以前は怖かったんですが、今は可愛いなと思うようになりました。こちら、ほぼ実話ということで、すごいことですね。カラスは光物好きとして有名ですよね。巣に溜め込むとか。知能が高いので、もしかしたら、「おい、爺さん、俺の仲間によくしてくれたから、俺の宝物の一つをプレゼントするよ」とポイっと大盤振る舞いしてくれたのかもしれませんね。もしかしたら、100円玉もあったのかもしれません。大きい方をくれたんだと思うなあ。そして、半分くれたおじいさんも気前がいいですね。この見方によっては(私はロマンチストなので)とってもハートウォーミングなお話は、三浦さん流のウィットが加わってなんともいえない味わいがありました。そういえば、私の知人のお母さんが怪我をしてしっかり飛べなくなった雀を看病したそうなんです。本当は野鳥なのでダメなんだと思うんですが、結局そのまま家の中に住み着いて、チュンちゃんと名付けていたそうなんです。家の中では放し飼いされていてパタパタとお母さんの周りを飛んでいるそうなんですが、唐揚げをあげているお母さんの周りを飛んでいる姿は結構シュールだったと知人が言っていました。三浦さん、今年もどうぞよろしくお願いします。

「パパサンタ」じじいじじいさん
じじいじじいさん、お待たせしました。こんばんは。
ちょっと悲しいけれど、とても温かいクリスマスのお話ですね。パパサンタさんはきっと思い出もたくさん靴下に残していってくれたんでしょうね。きっと底なしの靴下に違いありません。さて、これは携帯から投稿されているのかしら。行がえがうまくいっていないような気がするのです。実際にじじいじじいさんがどこで行を変えているのか、このままだとわからないのでその部分については今回は省略させてください。全てひらがなとカタカナでの作品ですから、主語はできるだけ端折ったほうがいいようです。例えば、一連目の三行目は「ずっとねているふりしてた」だけで十分伝わります。三連目の冒頭「でもことしはこない」だけの方が読んでいる人の心に「わたし」の悲しみがぐんと伝わって来るような気がします。全体的に整理されていくととても良い作品になると思います。佳作1歩手前を。

「雪」ベルさん
ベルさん、お待たせしました。こんばんは。
えんじぇるさんに続いてベルさんも。クリスマスにぴったりですね。
そしてとっても素敵な作品でした。雪の目線で描いた雪だけどあったかくて優しいクリスマスにぴったりの作品だったと思います。読んでいて「そうなんだね、うんうん、そうなんだ〜」とついつい呟いてしまいました。雪は子供達の笑った顔が見たくて舞い降りて来るんですね。「しゅりんしゅりん」という音も最初は雪にしては元気だなと思ったんですが、この作品を通して読んでいくと、しゅりんしゅりんがぴったりでした。ひとつだけ、この作品はリズム良く読みたい作品なので、「ぼくたち」を少しだけ減らせるといいかもしれません。例えば、三連目の二つ目はなくても大丈夫かもしれません。この三連、とっても素敵なんです。手袋の中は、の部分、キュンとなりました。おまけの佳作です。

「兄妹メリークリスマス」ふわり座さん
ふわり座さん、こんばんは。お待たせしました。
クリスマスは人によって違う日ですが、どこかでみんな少しだけ温かいといいなといつも思っています。この作品は恋人はいないけれど、血の繋がりのない可愛い妹がいるお兄さんのお話です。どうやら二人は一緒に暮らしているようです。この作品の良い部分は、その二人の感情を中心に持ってきていないところです。もちろん全体的に妹をとても可愛く思っているお兄さんがいて、お兄ちゃんを大好きな妹がいて、最後には小さなどんでん返しもあるのですが、そう言ったことを大袈裟に書かずにサラッとかいているところが、ふわり座さんの成長だなと私はとても感心したんですよ。一連目にあれやこれやと心模様を長めにとったところもとても良かったと思います。さらにこの作品をよくするには、全体的に少しだけ整理が必要です。それは推敲していくと綺麗に整うと思います。例えば語尾、とか、リズム、とか、あえて書きませんので、自分で色々やってみてくださいね。構成力、という部分を見ると、本当良かったと思います。佳作一歩手前で。

「クリスマス・イルミネーション」U.さん
U.さん、そういえば、今日はポッキーの日ですね。お待たせしました。
とても素敵な作品だと思います。許しとクリスマス、そこには温かさがある、という主題です。世界はどこへいくのだろう、という不安な気持ちを一旦鎮めて、クリスマスに心を寄せる主人公。誰かを許すことよりも、自分自身を許すことだけがもしかしたら自分にできるのかもしれませんね。そうすることによって、自分の心は自由になって、そうしたら、誰のことも許す必要がなくなるのかもしれません。そんなことを考えました。六連なのですが、あなた、の部分なので、「皆を許し」じゃない方がいいかもしれません。その一行は思い切って削ってしまった方がいいかも。ちょうど今年はクリスマス休戦から百年目に当たるんですね。最終連もとても良かったです。佳作一歩手前を。

「踊り場の窓から」朝霧綾めさん
綾めさん、クリスマスウィークのトリはあなたでした。お待たせしました。
クリスマスのクの字も出てこないけれど、まるでクリスマスプレゼントのような作品だったと思います。佳作です。直すところはないです。すごく良かった。こう言ったノスタルジーは共感する人が多いのではないかしら。そして、私も似たような気持ちになった、けれど、それをどう表現したらいいのか。「ごくごく日常の中で感じる淡い喜び」を正確に再現したいというジレンマのようなものを感じる詩人さんも多い気がします。こうして、綾めさんのようにサラッとうまく切り取ってあるのは感動さえ覚えます。本当上手だわ、と。色々な方が色々な角度で日常を切り取っていきますが、さりげなさ、が際立っています。一緒に風を感じているような気持ちになりました。

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評の終わりに

被災された方にこの場を借りてお見舞い申し上げます。
少しでも暖かく穏やかに過ごせる時間がありますようにと心から祈っております。

こうして温かい家の中で温かいお茶を飲んでいることって本当にありがたいことです。それに感謝しつつ、被災地に心を寄せています。

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