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スレッドNo.3324

そこに居なかった俺のために  酔呆

広過ぎる街
遠すぎる言葉
あるいは鳥たちの変わらぬしぐさ

俺たちは幾晩も語り合い
互いの言葉を正しく理解し
相容れないことを正しく理解し
言葉のままに分かれた

 椅子が不平を呟いていたね
 卓が不満を訴えていたね
 夜明けの風が静かに
 カーテンを揺らしていたね

遠すぎる街
広すぎる言葉
日々の営みに日焼けした軒の列なり

席を立ち、俺は
気弱に振り返る
君は真っ直ぐに俺を見つめ拳を握りしめていた
指先から流れる血が
君の悲しみの色だ、しかし それは
俺たちの悲しみの全ではない

冷たく項垂れる言葉
幻の街
あるいは眩暈に似た希望

予め失われた道標 その先で
俺たちの交差する視線が薄く
薄く影を曳いている

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