MENU
716,794

スレッドNo.333

孤独な空  荻座利守

己自身に
限界を感じて

取り残されたような
孤独を背負って

その重さに
俯き歩くとき

髪と頬を撫でる
微かな風に呼ばれて
空を見上げると

ひとりでに呟きが
口より漏れでた

 ああ
 空はこんなにも
 広かったのか

そして
初めて知る

その広大さ故に
空もまた
孤独であったことを

空は孤独であるがために
雲や陽光や
月や星々を
拒むことなく受け入れて

沈みゆく夕陽の残照に
染め上げられた紫雲や

高く薄い層雲に映る
滲む涙のような朧月や

寂寥を模したかの如き
暗天で孤高に瞬く星のような

見上げる者の歩を止める
数多の様相を顕し

遠い古代より
その広大な相貌を以て
寂しい人々の心に
寄り添ってきた

その数多ある空の様相の
ひとつに

いだかれていることを
感じたとき

私の背負った孤独は
古代より続く空の孤独を
知るためのものだと覚った

私は空を通して
数多の寂しい心と
つながっていたのだ

編集・削除(未編集)

ロケットBBS

Page Top