マスメディア 荒木章太郎
情報を得ることが
マスである必要はなくなった
いくらでもポケットから出てくるから
夜明けには蕾
右肩が上がる頃は
知るという好奇心だけで
夢が膨らんでいった
夕暮れには花
しぼむ頃は誠実さ
潔癖が求められた
0か1か
俺達は数字ではない
数字は人間が作ったものなのに
なぜ捌かれなくはならないのか
徹底的に根絶やしに叩かれる
真っ白な雪か
真っ黒な珈琲か
孤独の椅子に寛ぎながら
ヘラヘラと浅はかな子供の悪意で
瞳に映る極端に振れる錘に
眼球は振り回される
メラメラと燃える瞳の奥で
正義感を膨らまし
燃やし尽くしたら
虚無も炭も
結局は死に至るのではないか
作り手は眠れずに疲れていた