桔梗の化身 上田一眞
そこに佇ずむ 秋
色なき素風に吹かれ
一本の桔梗の花がそよいでいる
見てごらん
桔梗の花は自分の淑やかさに
気づいていないよ
花は自分の姿を知らないし
自分の美しさに気づかないから
気高いんだよ
君は桔梗の花が好きだね
自分が桔梗の化身だと
気づいていないんでしょ
割れた鏡でもいいんだ
ほら見てごらん 楚々とした
君の姿が写っているから
ため息などつかないで
僕の言葉に偽りなどないよ
見事なほど美しい 花の精の君
そこに佇ずむ 秋
色なき素風に吹かれ
一本の桔梗の花がそよいでいる
見てごらん
桔梗の花は自分の淑やかさに
気づいていないよ
花は自分の姿を知らないし
自分の美しさに気づかないから
気高いんだよ
君は桔梗の花が好きだね
自分が桔梗の化身だと
気づいていないんでしょ
割れた鏡でもいいんだ
ほら見てごらん 楚々とした
君の姿が写っているから
ため息などつかないで
僕の言葉に偽りなどないよ
見事なほど美しい 花の精の君