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スレッドNo.3481

流星群  秋さや香

一七歳の無力さを覚えているか

うかつにひらいた手のひらの
その軽さに打ちのめされて
孤独を孤独で埋めるように
もう片方の手を重ねた
 
祈りとは呼べない不器用な形

出会わない折り鶴たちが
横たわる窓辺
 
分け合えない哀しみの隔たりに
獅子座流星群は降り注いでいた

救うことも
救われることもできずに

大人になることも
子供でいることもできずに

スマホをいじる指の軌道を
まだ知らない指で
流星群の軌道を寂しくなぞっていた
 
なにも紡げない白い息
の向こうで

星は流れ続けた

途切れてしまうオルゴールの
切ない音色を繋ぐように

もしあなたも
あの夜空を見ていたのなら
哀しみの隔たりで
不器用な祈りだけは分け合うことが
できていたのかもしれない
 
役に立たない言葉
掴みとれない時間
とどまれない今夜

できないことばかり数えていたけれど
光って消えてしまうだけの星は
ただそれだけで
じゅうぶんに美しかった
 
十七歳の無力さを覚えている

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