流星群 秋さや香
一七歳の無力さを覚えているか
うかつにひらいた手のひらの
その軽さに打ちのめされて
孤独を孤独で埋めるように
もう片方の手を重ねた
祈りとは呼べない不器用な形
出会わない折り鶴たちが
横たわる窓辺
分け合えない哀しみの隔たりに
獅子座流星群は降り注いでいた
救うことも
救われることもできずに
大人になることも
子供でいることもできずに
スマホをいじる指の軌道を
まだ知らない指で
流星群の軌道を寂しくなぞっていた
なにも紡げない白い息
の向こうで
星は流れ続けた
途切れてしまうオルゴールの
切ない音色を繋ぐように
もしあなたも
あの夜空を見ていたのなら
哀しみの隔たりで
不器用な祈りだけは分け合うことが
できていたのかもしれない
役に立たない言葉
掴みとれない時間
とどまれない今夜
できないことばかり数えていたけれど
光って消えてしまうだけの星は
ただそれだけで
じゅうぶんに美しかった
十七歳の無力さを覚えている