年輪 ベル
ちいさい頃
あるお相撲さんの額のシワに憧れた
ちいさいながらに
そのシワはお相撲さんの
日々の努力が詰まっていると感じた
汗を流した
涙が流れた
笑顔が溢れた
時は風のように過ぎてゆく
あのお相撲さんは親方となり
あの額のシワは
あの頃より深くなった
生きている人のシワは
なぜこんなにも美しいのだろう
鏡の前に立ってみる
もう僕もシワだらけで
真っ黒な顔をしている
笑っちゃうほどクシャクシャだ
うれしいことも
かなしいことも
全部シワに刻まれている
僕が僕を作る物語
シワと共に生きる