散歩中石ころに
石ころが佇んでいる
何を見ているのだろう
今にも涙を流しそうな瞳で
いつからそこに居た
この間は見なかったような
あちこちに石は転がってるけど
君は今日初めて見たよ
覚えていないだけかな
何十年も何百年もそこに居たのかな
そんなに生きてたら
石ころの人生を飽きてしまうだろう
そろそろ植物に生まれ変わりたいとか思わないのだろうか
最近になって
石ころを蹴るのをやめるようになったんだ
何だか胸が痛くなってさ 悲鳴が聞こえるような
この石ころも重要な存在なんだろうな
根拠は無いけどそう感じるんだ
地球を宇宙空間から見ると
まるで生き物のようだ
そう宇宙飛行士が言ったような言わなかったような
だとしたらこの地球の一部の石ころも
きっと生きてるんだろうな
心臓がバクバクして血だって流すんだ
散歩してるといつも
サンダルに石ころが入る
痛いし鬱陶しいし歩き辛いけど
しばらくはそのままにしておくんだ
何だかこれも出会いのような気がして
石ころが俺の所に居たいと言ってるような気がして
石ころについて考えることなんて無いけど
あまり好きでもないけど
今日は特別
こうして君たちのことを想ってないと
本当にただの石ころになるだろう
人類は皆誕生する前は石ころだったんだ
だから兄弟よ
今日は君たちのことを想おう