静かの海 大杉 司
普通の日が
普通でなくなり
あった景色や人集りが
消えたあの日を思い出す
あれから13年が経つが
街は癒えることなく
悲しみや後悔で埋め尽くされ
立ち上がる気力さえ消えた
応援ソングやチャリティーで
「勇気づけられた」と言っているが
それは本心だろうか?
無理をしていないか?
原発反対を合言葉にして
住んでいた人々を疎外し
「あそこは危険だ」などと言い
助けようとしない集団がいる
もはや慈悲はなく
操られている方々だ
距離を置くべきと
僕は思っている
行方不明者は見つからず
ただ時間が過ぎるまま
荒波いよいよ落ち着いて
やがて静かの海となる
こんな悲しい景色は見たくない
こんなことが起こってほしくない
心の中で皆共鳴して
しっかり目を閉じる