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スレッドNo.3653

或る 夏の日の 人生  益山弘太郎

夏が 来た
梅雨も 上がった 曇り空に
眩しい 太陽が 隠れている

そういえば 去年の 夏の始まりも
わたしは この バス停に いた
熊ん蜂が 旋回して いたので 避けて
よけて いたなぁ

この 1年は長かった 様々な事が あったよ
往来する 車も 忙しい

バスが来た 乗車する ひどい 混みよう だ

と なんと
運転席の後ろの一段 高い座席が空いてる

わたしは 躊躇わずに よじ登った

エンジン音が 小刻みに 心地良い
エアコンの送風口を向けた 猛暑に 涼風だ

すると その時 乗車口の 外側から
小学校1年生の 子供達の声が聞こえて来る

「 16時 59分 、です!」

わたしは腕時計を見た 当に 16時 59分 だ

やはりそうだったのか時間は連鎖していた

この子達とわたしの年齢差56 未来人だな

そして そうだ 彼らにとっては この今は

かけがえない1年生 としての 記憶 なんだ

わたしに とっては 初老の 63歳

バスが走り始めた 過去の人生を 置いて
進んで 行く

フロントガラス には

黒と 白と ピンク色 の

アゲハ蝶が 舞っていた

編集・削除(編集済: 2024年03月12日 15:17)

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