共に越える 秋乃 夕陽
地は堕ち人々の叫びが聞こえる
笑い合った家族が一瞬にして
哀しみに変わる
疲れ切った人々の朦朧とした現実
瓦礫の下に生き埋めとなった人々の
無念な嘆き
年の始まりが自然による災いの炎と化す
急激に迫り来る冷えは悪魔の笑いか
理不尽な仕打ちに我目を見張るばかり
断ち切られた命の絆
何故に何故にと憂う
私のもう一つの故郷はこうして破壊された
雪で閉ざされた中で幼き日
震えながら抱かれた母のぬくもり
怒涛なる感情が黒い渦となる
たとえ目を塞いでも消える事なき
突き上げられた地底からの因果
苦み走った記憶の底を開ける
耐えるばかりの人々の思いに
いま私たちは心を傾ける