コミュニケーション 相野零次
手渡す僕 受け取る君
投げる俺 ぶつかるお前
誘うわたし よろめくあなた
花のまわりを飛び交うミツバチたちは
やがて花粉の配達人となる
巣に帰ってきてただいまを我が子たちに告げる
雛鳥たちは大きな口を開けて母の名を精一杯叫んで
いつも飢えていないかと心配になる
心を差し出すために一本のナイフなどいらない
想いを真珠にかえて悲しみの海から産まれる貝のように
小さなとても小さな生物たちの祈り
鯨でも受け取れる大きな恐竜たちにも届くかも時を超えて
タイムマシーンなんて夢の発明!
大丈夫ちゃんと届く 詩歌の中にも描かれるとびきりの天才たち
もっともっと飛躍しよう 宇宙はどこまでも広がるが
宇宙なんて言葉で定義すると途端に有限になる
無限なんて言っちゃいけない祈っちゃいけない届いちゃいけない
黙ることすら簡単じゃない
無意識に ああ ダメだ!
何も考えずにああ笑っちゃうもう考えてる
届けたい今君に 陳腐でいい
泣こう 鳴こう 叫ぼう やまびこがたくさん
跳ねて飛んで転んで
山も谷も あれスケールダウン
空 宇宙 さっき出てきた
赤ん坊です僕なんて赤ん坊はいわない
長くなると読んでもらえないよ
そろそろ感動のフィナーレ
感動なんてしなくても終わる
終わりのことば
僕?誰だ俺とかわたしとか何?
日本人だから
そう収束させて
んん ああ ええいい わけが かんがえないで
むり いいのそれで
さようなら