紫陽花さんヘ すみませんでした。評です。 滝本政博
「約束の春」 紫陽花さん 3月28日
毎年やつてくる春。当たり前のことだけれど、その不思議が書かれています。
そして春は色彩であるということ。
ムスカリ、たんぽぽ、れんげ、地面から色とりどりの春がやってくる。
そして、桜。
<そうしてるうちに
あのごつごつした黒い幹に
桜の花の白っぽいピンクが
頭上いっぱいに広がる
あっという間に>
ここのこところ、とてもいいですね。桜とはそういうものですね。そういう美であると読者である私も胸がいっぱいになる。
それを作者は春の約束だという。
<これは約束なのだろう
春には 春のこの道には
この桜の木があって
私はここにいるという存在感
足元の小さい春の子たちとは
また違う存在感を持って
桜の木は花を咲かせる>
上手く言えないので、また引用させてもらったが、これはやはりひとつの発見であろう。約束の春。この地球で日本で春の道に桜の木があり、私はそこにいる。今年もその季節がやって来るのだ。
詩は四連で構成されて無理なく展開され、一連は最終連によって回収される
一つだけ気になったのは
<れんげそんな色とりどりを>の個所で、ここは<れんげ そんな色とりどりを>とれんげの後を一字開けたほうがよいと感じました。
佳作といたします。