たどり着いたお通夜の夜 まるまる
友達のお嬢さんは まだ小学生
楽しいと 目も口も眉も
にっこり笑う女の子
笑顔のとっても愛らしかったその子は
遠い世界へ 旅立った
治らない病気だった
朝の歯磨きをしていた息子に
今夜はお通夜に行ってくるね
返事をしたのかしてないのか
いつも通りの 無反応
お別れはたくさんのお花に囲まれ
今 そこで微笑んでくれるような
温かさに包まれていた
その夜の帰宅はいつもより遅く
息子は風呂からあがったばかり
私の ただいま より先に
行って来たの?
髪を拭くその手を止めて
私の目を見て 確かめるように
なんだ ちゃんと聞こえていたんだ
いつものシラケた気配の奥で
実はしっかり わかっていたんだ
帰らぬ人となってしまう 小さな女の子
その
決して当たり前じゃないことの 深刻さを
わからなかったら たいへんだったよ
あなたの思いも 届いている
お嬢さんは お星さまになるね
どうか 安らかに